大阪ライブシアター

大人になっていくこどもたちに伝えたいこと

大阪ライブシアター

 タップダンスで、無限の力を得る。今日はそんなお話です。

 こんにちは、フクシンです。

 今日は、ぼくが主宰してる大阪ライブシアターのタップダンスレッスンのお話です。

 ぼくは、毎週水曜日と金曜日にタップダンスのレッスンをしています。2クラスいつもやっていて、7時30分からは初心者のクラス、8時30分からは経験者のクラスをやっています。小さな子どもから、大人からいろんな人がタップを習いに来てくれています。

 先日のお盆の金曜日は、たまたまですが、初めてタップ体験する子、今タップをまさにやっている子、以前レッスンに来てくれていた子たちが相次いで来てくれました。

 タップダンスって皆さん、見たことありますか?あまり日本ではメジャーじゃないし、ストリートダンスが必須科目になったのに、タップって見ないですよね。タップを子どものころからレッスンにくる子は、自分で決める子はテレビなどで見た影響でくる子が多いです。その他、親が自分がやりたくって、子どもにしてもらうというパターンなどもあります。
 いずれにしてもきっかけは様々。とにかく、ぼくはタップを通して、子どもたちに、できると思う自信という財産を一つ持ってもらうと嬉しくってレッスンをやっています。

 皆さん、人と違う自分の魅力持ちたくありませんか。
 タップダンスって、なんであんな音が鳴るのか不思議ではありませんか?

 僕がタップを始めたきっかけはそんなところにあります。

 タップダンスは、あまりほかにやっていないので。目立つし、なにより、自分を飾る所作の美しさ、音の美しさが必要で、それを飾らないところまで突き詰めていきます。

 これが幸せにつながるのではと思っています。

 今日は、ぼくが思うタップをやることで、心がリッチになる引き寄せ方をお伝えしたいと思います。

ある日の金曜日レッスン

 この日のタップクラスは、7時30分からのクラスが、体験レッスンに来てくれた年長さんの男の子ケンくんと、小学校6年生のヒロくん。
 いつものこの時間は、タケルくんと2人のクラスですが、この日はお盆ということもあり、お休み。

 体験にきてくれたケンくんは、テレビでタップダンスを見たらしく、やりたくってお母さんが探していたところうちのホームページをサーチしていただき、お越しいただきました。ありがとうございました。
 最初、特に男の子は恥ずかしそうにしているんですが、きちんとお互い自己紹介してから、まずはタップシューズを持ってみてその重さを感じ、触ってもらってタップスの質感を感じ、かちゃかちゃと床に鳴らしてみて楽しさを感じる。興味深そうにしてくれています。
 で、ご自身で用意してもらった下履きでないスニーカーで、ヒロくんのステップも興味深そうに見ながら、一緒にステップヒールから始めました。
 なんでもダンスも始められているそうで、楽しそうに足を懸命に動かしているのがいいですね。
 少し休憩を入れたら眠くなってきたらしく、今日はここで終わり。お母さんと一緒に戻られました。年長さんだもんね、眠くなるよね。

 そのあとはヒロくんとのレッスン。ヒロくんは、先にレッスンに来てくれていたタケルくんの保育所のときの幼馴染み。二人の距離感は面白くって、ライバルであり、友達であり、でもお互いを尊重しあっています。
 この2人はタップに取り組む考え方が対照的で、感覚的にはいるタケル君とヒロ君は体の動きを考えながら入ります。どちらも天才であり、努力家であり、めきめきと音がなるほど驚きの成長。ほんと、すごい2人です。この日はシムシャムシミーといって、タップでは定番の振付をやりました。これもすぐ体になじむのがすごい。

 そして、8時30分からのクラスでは、かつて小学生から中学生にかけてきてくれていた3人が少し大人になったティーンエイジャーとなってきてくれました。

 せしる、しずく、はると。もう4年ぶりくらい?でも、タップの動きって忘れないものですよね。ピアノも自転車もそうですが、一度記憶に刻み込まれた動きは、無意識にも動けるんだと思いました。たぶん彼らの中にある音楽、グルーブ感でそれが進化しているのが、めっちゃいいです。ぼくが忘れかけている昔の振付も、彼らの方が覚えてくれていて、ほんとすごい。

 体験に来てくれたケンくん、いつもレッスンに来てくれているタケル君、ヒロ君、少し大人になってきてくれたせしる、しずく、はると。
 みんな、それぞれキラキラしていてほんとまぶしいですよね。

 子どもが大人になるにつれて、社会的な制約や自分の限界とかを思い知らせられることが多くって、だからタップレッスンでの大人と子どもへのアプローチは違います。

 子どもには、彼らの中で大事にできそうな刺激。例えば動きの中で刺激的なもの、人に見せたくなるもの、これに配慮してクラスを構成します。その一方、大人は、自分で納得できるもの、内なる満足、納得感にアプローチします。

こどもたちもはまるタップレッスンのメカニズム

 フロー体験って、自分が自分のしていることに没頭している状態。
 この状態に入ると、人は一番幸せを感じるといわれています。

 何にも邪魔されず、雑音も気にならない。自分だけの世界。自然や周りの環境との調和を感じて、調和できる所作、調和できるタップの音づくり、最高のパフォーマンスが出る状態です。

 タップのレッスンでは、音に集中して、自分のからだのどこにバランスがあるか、体と会話しながら進めていきます。普段、普通に歩いているときには意識しないバランスのかけ方。さらには、足裏のどのあたりに中心があるのか、感じながらレッスンをすすめていきます。

 たとえばサーフィンは、風と、海と、一体になって波に乗っていきます。タップは、そんな自然との調和に似た感覚で、音楽と調和します。

 そこには、所作の美しさが必要で、タップダンスは、ダンスとして所作の美しさを求めるだけでなく、音の美しさも求められます。
 この世界にハマるためには、子どもが自分で動くこと。これで、自分に対する確固たる自信が出来上がると思います。

大人になっていくこどもたちに伝えたいこと

 子どもは、大人になるにしたがって、人生の上でいろんな制約条件やあきらめ、自分の限界を感じる。照れや恥ずかしさなど、社会に近づくにつれ、正直な自分のしたいことが出せないことが多いです。

 Yoasobiの群青の歌詞にもあるように、

 知らず知らず隠してた本当の声を聞かせてよ
 好きなものを好きだという怖くて仕方ないけど

 これは、まさに彼らの世代の言葉を代弁しているからこそ、共感を呼ぶのかもしれません。

 僕自身もそうでした。恥ずかしさで人に○○がしたいって言えなかったり表現できなかったり。

 でも、もうそんな時代は終わりにしたくありませんか。
 子どもでも大人でも、これがしたい!これで人の役に立ちたい!そんなことを表現できる力、言い切れる自信。そんなことをタップダンスを通してつけていけたらなと思っています。

 この子たちが大人になって、そう遠くない未来には、ぼくたちがまだ見ない世界が広がっていると思います。
 いろんな働き方、暮らし方が選べる時代には、自分が何をしたいのか、逆に問われて、選べないことってあると思います。

 そんな時代に、確かなものが見つけられるきっかとして、タップで体験した、所作の美しさが大切なこと、音楽と調和することが気持ちいいこと、これに没頭することが自分が一番の楽しい時間であること、それを覚えていること、このことを伝えていきたいと思います。

1 量子力学では、過去・現在・未来は同時に進行している。
2 いい未来を引き寄せるのは、無意識による。無意識は意識と双極性に働き、ポジティブになるよりもネガティブにならないことを意識すること大事 
3 実は目の前に起きていることは、ホログラムで映る幻想であって、人が意識の中で経験に基づき感じていること。

 ぼくが最近好きになっている本に書いていたことで、本当かどうかぼくにはわかりませんが、こう言うことがもし本当にあるとしたら、
 気持ちが楽になりませんか?
 思い切って好きなことに挑戦していこうって思いませんか?
 自分の力を人の役に立つために使っていきたいって思いませんか?

 そんな無限の力の源になる確固たる自信を、タップレッスンもきっかけとしてつけてもらえると嬉しいなって思います。 

 大阪ライブシアターの活動を始めた1992年ころは、タップを教えるというよりも、パフォーマンスを展開するする大人の集まりでした。いわゆる劇団みたいな感じ。でも、活動をしているうちに、こどもにタップを教えてほしいというお話をいただき、今のスタイルの活動になりました。
 最初は、「えー子どもに教えるの?俺が」と思っていました。わからない部分もいっぱいありましたが、試行錯誤を重ね、今のスタイルになっています。
 長年こういう活動を続けていると、レッスンに来てくれていたこどもが一人の大人として目の前に現れる、またレッスンに来てくれていた大人がこどもと一緒にレッスンに来てくれる、そんなケースがあります。
 タップダンスという、日本ではニッチな芸術分野に触れて、そのことがきっかけで世代を超えて受け継がれていく、彼らのモノになっていく。
 そんなシーンに関わらせてもらっていることが、ぼくにとっては宝物です。

 今日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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